創業者から株式を相続した会社経営と無関係な創業者の孫からの依頼により、株式の売却交渉を当事務所において受任した。
業種 | 製造業 |
規模 | 資本金 ~5000万円 純資産 130億円 売上高 100億円 利 益 ~5億円 年間配当 ~5円/株 |
依頼者は発行済株式の約10%保有、その余は経営側親族が保有。
(1)依頼者は、当事務所に依頼する前に複数の弁護士に売却交渉を依頼。その段階で経営者側親族からは~5000万程度での購入の打診があったが、いずれの弁護士も非上場株式の適正価額評価を行うことができず、依頼者に対して、相場がない以上は経営者側親族の提示する価格での売却を進めるしかないとアドバイスするだけで、株式の評価に必要な資料の収集も行わず、経営側親族との価格交渉が進展しなかったことから、依頼者は従前の弁護士への依頼を中止し、当事務所に改めて売却交渉を依頼。
(2)受任後すみやかに会社に対して評価に必要な資料の開示・提供を要求、資料を取得し、当事務所にて各種評価方式に基づく対象株式の評価額を算出したところ、各評価額は時価純資産方式で約9億、DCF方式で約11億、配当還元方式で約300万となった。
各評価額に基づき類似事案中で依頼者に有利な複数の裁判例を根拠に対象株式の評価額レンジを7億~9億と査定するとともに、依頼者の了解を得たうえで非上場少数株式の買取に積極的な投資ファンドに情報提供を行った。
(3)経営者側親族は交渉初期の段階においては5000万円程度、高くてもせいぜい8~9000万程度での買い受けを主張していたが、経営者側親族に対し、「対象株式の適正な査定額及び詳細な根拠資料」、及び「投資ファンドへの売却を視野に入れていること」を示して適正な価格での買取を交渉し、評価額レンジ内である約7億円で会社への売却を実現した。
対象となる非上場株式の適正な評価をし、投資ファンドに情報提供を行ったうえ、投資ファンドへの売却を視野に入れていることを示して経営者側と交渉したことが勝因の全てです。
依頼者が当事務所に依頼する前に依頼していた複数の弁護士は、非上場株の売却の公式ともいえる上記のことを全く行わず、漫然と交渉していました。
このようなやり方では依頼者の満足いく結果を得られるはずがないのです。