スタートアップ企業の共同創業者が退社にあたり、保有株式を会社に売却した事例

※ 弁護士の守秘義務及び、日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」第四条第四号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

事例の概要

 対象会社は依頼者が友人と2人で設立したが、経営方針の相違から、依頼者が退社することになり、依頼者の保有株式の会社による買取りについて相談・依頼を受けた事例。

会社の概要

業種大阪に拠点を置くIT関連のスタートアップ企業
規模設立後まもないが、利益は順調に増加傾向にあった。
資本金  100万円
年商   2億円弱
純資産  5600万円
利益   5300万円
配当   なし

株主の状況、株主構成

 株主構成は、依頼者と共同創業者の2人のみで、保有割合は議決権ベースで依頼者と共同創業者が2:8であった。

交渉の経過と解決結果

 経営方針に相違があるとはいえ、共同創業者ということもあり、双方ともに敵対的な交渉は望まず、話合いによる穏便な解決を希望していた。
 ただ、株式の評価やそれに基づく交渉が高度の専門性を要することから、双方ともに当初より弁護士及び公認会計士を介入させた。
 なお、当事務所グループの公認会計士によるフリー・キャッシュ・フロー方式による株価試算では、1株あたり821円(総額で1億6000万円強)であり、1株あたり400円、総額8000万円までが受入可能金額であった。これに対し、相手方が主張する株価は1株あたり126円(総額で2500万円強)であった。

 相対での交渉では価格についての納得感が得られにくいとして、裁判所で行われる調停の申立てを行うこと及び裁判所から提示される売買価格を受諾することを合意し、当該合意にしたがって調停の申立てを行い、必要な資料や情報を裁判所に提出した上、裁判所が選任する公認会計士により売買価格の算定(1株435円、総額8700万円)がなされた結果、双方ともに事前の合意に従って当該価格を受諾した。

 裁判所が選任する公認会計士とは別に、有利な鑑定評価や意見をしてくれる公認会計士と連携して、当方の評価額として有利な鑑定評価を依頼し、それを裁判所選任の公認会計士の参考にしてもらうために先に提出したりなどした結果、裁判所選任の公認会計士による適切な(依頼者の納得・満足できる鑑定金額(1株435円、総額8700万円))鑑定結果がもたらされた。

戦い終えた担当弁護士のひと言

 非上場株式の売却価格は、裁判所の関与下で公認会計士の鑑定を行うことが最も高額の評価となります。
 本件では、これを行うことの合意をしたことが勝因の全てと言ってよいでしょう。



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