創業者から後継候補者として外部より招聘された依頼者が創業者との経営方針の食い違いを理由に会社より放逐されたことから、保有株式の買取を求めて株式の売却交渉を当事務所に依頼した。
業種 | 製造業 |
規模 | 資本金 ~1000万円 純資産 ~3億円 売上高 10~15億円 利 益 2000~3000万円 年間配当 ~500円/株 |
依頼者は発行済株式の約35%保有、その余は創業者が保有。
(1)依頼者は、当事務所に依頼する前に別の弁護士に売却交渉を依頼。しかしながら創業者側が依頼者の株式保有の事実自体を否定し、創業者との売却交渉が全く進展しなかったことから、依頼者は同弁護士への依頼を中止し、当事務所に改めて売却交渉を依頼。
(2)当事務所にて各種評価方式に基づく対象株式の評価額を算出したところ、各評価額は時価純資産方式で約3億、DCF方式で約3.5億、配当還元方式で約2000万となった。
各評価額に基づき類似事案中で依頼者に有利な複数の裁判例を根拠に対象株式の評価額レンジを1億~2億と査定したうえで、早期売却実現を希望する依頼者と協議し、希望売却価価額を1.3億と設定、非上場少数株式の買取に積極的な投資ファンドに情報提供を行った。
(3)創業者に対し、依頼者の株主権の確認を請求する訴訟を提起して株主権の確認を進めるとともに、裁判所の関与のもとに同訴訟中での売却交渉も実行。創業者側は株主権を否定していることを前提とする極めて低廉な価格(数百万円程度)での金銭的解決を主張したが、当方は「対象株式の適正な査定額及び詳細な根拠資料」、及び「投資ファンドへの売却を視野に入れていること」を示すとともに、裁判において依頼者に株主権が存在することを事実上確定させ、裁判上の和解で約1億円での創業者への売却を実現した。
ただちに株主権確認訴訟を提起したことが、勝因の全てです。
依頼者が当事務所に依頼する前に依頼していた別の弁護士は、創業者側が依頼者の株主権保有の事実自体を否定しているのに、これに適切に対応することなくダラダラと売却交渉を続けていました。
そのような対応では解決しませんし、解決しても依頼者の納得できる結果は得られません。