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○○○○を甲、○○○○を乙として、甲乙間は次のとおり合意する。
第１条 甲乙は、甲が株式会社○○と吸収合併契約を締結する件につき、乙は令和○年○○月○○日付書面をもって反対する意思を甲に通知し、令和○年○○月○○日開催された甲の臨時株主総会においても合併契約書の承認について反対したこと、並びに乙が令和○年○○月○○日付書面により、甲に対し、甲株式の買取請求をしたことを確認する。
第２条 甲は、乙の株式買取請求に対し、乙が有する普通株式○○株（以下「本件株式」という）を１株当たり金○○円、総額金○○円で買い取り、乙は甲に対し本件株式を売渡す。
第３条 甲は、乙に対し、令和○年○○月○○日限り前条記載の金員を支払い、乙は右金員の支払を受けるのと引換えに本件株式を表章した株券全てを甲に引渡す。
第４条 甲乙は、本合意書に定める以外、本件株式買取りに関し相互に何らの債権債務もないことを確認する。
以上のとおり合意したので、本書面２通を作成し、甲乙各１通を保有する。
令和○○年○○月○○日
住 所
甲
住 所
乙
解説
（第１条）
吸収合併承認決議に反対したにも拘わらず、合併が承認されてしまった場合、反対した株主は、会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取るよう請求できる（会社法７８５条１項、７８２条１項、７９７条１項、７９４条１項）。
上記買取請求を行うには、合併承認を求める株主総会に先立ち、反対の意思を通知し、かつ、総会においても反対しておかなければならない（会社法７８５条２項、７９７条２項）。
（第２条）
改正前商法では、株式会社が合併する場合において株式買取請求権が行使されたときに当該株式会社が株式を買い取る価格は、合併の決議がなかったとすれば有していたはずである公正な価格によるとされていた（改正前商法２４５条ノ２）。
しかし、株主のなかには、株式会社が合併すること自体については賛成であるが、合併の結果、対価として交付される財産の割当てには不満である者も存在しうる。このような株主が株式買取請求権を行使するのは、合併の決議がなかったとすれば有していたはずである公正な価格による株式の買取りではなく、合併による企業価値の増加を適切に反映した公正な価格による株式の買取りを期待してするものである。
そこで、会社法では、株式買取請求権が行使された場合の株式の買取りを「公正な価格」によることとした（会社法７８５条１項、７９７条１項）。
この価格につき当事者間において合併の効力発生日から３０日以内に協議が整わない場合には、その期間満了の日後３０日以内に裁判所に価格の決定を請求することができる（会社法７８６条２項、７９８条２項）。
（第３条）
買取価格について会社と反対株主との間で合意した場合、会社は合併の効力発生日から６０日以内に買取代金を支払わなければならない（会社法７８６条１項、７９８条１項）。
したがって、合意書の支払期日も効力発生日から６０日以内の日を設定することになる。
（印 紙）
本件の文書には、印紙は不要である。