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前略
私は、貴社の株式○○株を有する株主です。
令和○年○○月○○日開催の貴社臨時株主総会において、第○○号議案「株式交換の件」についての株式交換契約書が承認可決され、貴社が△△△△株式会社の完全子会社となるべく、貴社株主がその保有する貴社の株式と△△△△株式会社の株式とを交換することになりました。
私は、上記株主総会に先立ち、令和○年○○月○○日付通知書をもって、上記議案に反対の意思を通知し、かつ、同株主総会においても反対いたしました。
よって、私の有する上記○○株につき、公正な価格での買取を請求いたします。
以上のとおりご通知致します。
草々
令和○○年○○月○○日
○○市○○町○丁目○番○号
○○○○
○○市○○町○丁目○番○号
○○○○株式会社
代表取締役 ○○○○ 殿
解説
(株式交換)
株式交換とは、100%親子会社を創設するための制度であり、100%子会社となるべき会社の株主が保有する当該会社の株式と、100%親会社となるべき会社が保有ないし新株発行する当該会社の株式とを交換することをいう。
すなわち100%子会社となるべき会社の株主は、従来保有していた当該子会社の株式を100%親会社に移転する対価として、100%親会社の株式を新たに取得することとなる(会社法第768条、第769条)。
株式交換制度は現在存在する2つの会社について、親子会社の関係を形成することによる企業再編を目的として規定された。
(株式交換承認の株主総会特別決議)
株主総会における株式交換契約書の承認決議には、原則として総株主の議決権の過半数ないし定款に定める議決権の出席を要し、かつ出席議決権の3分の2以上の賛成を要する(会社法第783条第1項、会社法第795条第1項、会社法第309条第2項第12号)。
株式交換が会社の株主構成を変動させるという重大な効果をもたらすものであって、特に株主の承認を得る必要があるためである。
(反対株主の株式買取請求権)
株式交換は、会社の株主構成に重大な変動を与えるものであり、自身の経営判断によりこれに反対する株主を保護する必要性も否定できない。
そこで反対株主には、自己の有する株式について、会社に対し、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、公正な価格をもって買取ることを請求する権利が認められている(会社法第785条第1項、第5項及び会社法第797条第1項、第5項。本書式例は、その請求通知書である。)。
反対株主のうち、株主総会における議決権を有する株主は、この株式買取請求権を行使する前提として、株主総会に先立ち、吸収分割に反対する意思を書面で通知し、かつ、株主総会においても反対しなければならない(会社法第785条第2項第1号及び会社法第797条第2項第1号イ)。