第1 非上場株式に関する基礎知識 <目次> ※ …
2 非上場株式・少数株式であることによる問題点
非上場株式であることによる主な問題点としては、(1)売却が困難であること、(2)相続によって取得した場合に相続税の納税リスクがあることが挙げられます。 (1)売却が困難であることについて 非上場株式の売却が困難とされる主な原因には、以下で詳述するように、ア 公開マーケットが存在していないこと、イ 会社の譲渡承認を得る必要があるため、買主が諦めてしまうこと、ウ 譲渡制限株式であることに加え、少数株式の場合には、株式を取得する利点が少ないと考える買主が多いことが挙げられます。 ア 公 …
3 非上場株式保有者が売却を検討するにあたって取り得る手段
(1) 株式の権利内容、株主構成等を確認する手段 非上場株式の売却を検討するにあたっては、そもそも自分が株式を何株保有しているのか、株主構成はどのようになっているのか、保有している株式には譲渡制限が付されているのか、株券が発行されているのかを再確認する必要があるところ、株式の権利内容、株主構成等を確認する手段としては、ア 定款閲覧請求権と、イ 株主名簿閲覧請求権が存在します。 ア 「定款閲覧請求権」とは、前述したように、株式を1株でも保有している株主が、株式会社の営業時間内に、いつで …
4 非上場株式の価格
(1)各種評価方法 非上場株式を売却する際、誰もができる限り高値で売却したいと考えるものですが、非上場株式は市場で取引されるものではないため上場株のような市場価格が存在しません。 したがって、非上場株式を売却しようとするとき、その価値を売主で評価する必要があります。 非上場株式の評価方法としては多様なものがありますが、一般的には下記の通りインカム・アプローチ、マーケット・アプローチ、ネットアセット・アプローチの3体系に分類されます。そして、その各体系の中でも更に複数の評価方法が存在して …
5 非上場株式売却後の税務処理
非上場株式を売却した結果として売却益が発生した場合には、税負担が生じることとなりますので、その売却益について適切に税務処理を行う必要があります。 本稿では、少数株主たる非上場株主が日本の所得税法上の居住者であることを前提に、買主が個人であるとき、買主が第三者たる法人であるとき及び買主が株式の発行法人であるときに分けて、売却益が発生した場合における売主の非上場株式売却後の税務処理とそのために重要となる租税法上の時価について説明いたします。 (1)買主が個人であるとき ①適正な時価で …