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第1章 総 則
(商号)
第1条 当会社は、○○○○株式会社と称する。
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
(1)○○○○
(2)○○○○
(3)○○○○
(4)○○○○
(5)前各号に附帯する一切の事業
(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を○○○○に置く。
(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載してする。
第2章 株 式
(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、○○○○株とする。
(株券の発行)
第6条 当会社は、株式に係る株券を発行する。
(株券の種類)
第7条 当会社の株券は、1株券、10株券、50株券及び100株券の4種類とする。
(株式の譲渡制限)
第8条 当会社の株式の譲渡または、取得については、株主または取得者は、取締役会の承認を受けなければならない。
(相続人等に対する売渡しの請求)
第9条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。
(株式取扱規則)
第10条 当会社が発行する株券の株主名簿、株券喪失登録簿及び新株予約権原簿への記載または記録、その他株式ならびに新株予約権に関する取扱い及び手数料は、法令または定款に定めるもののほか、取締役会において定める株式取扱規則による。
(基準日)
第11条 当会社は、毎年○○月○○日の最終の株主名簿(実質株主名簿を含む。)に記載又は記録された議決権を有する株主(実質株主を含む。)をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。
2 前項のほか、株主または登録株式質権者として権利を行使すべき者を確定するために、必要がある場合に、取締役会の決議によってあらかじめ公告して臨時に基準日を定めることができる。
第3章 株主総会
(招集)
第12条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度終了後3か月以内に招集し、臨時株主総会は、その必要がある場合に随時これを招集する。
(議長)
第13条 株主総会の議長は、社長がこれに当たる。社長に事故があるときは、あらかじめ取締役会において定めた順位に従い他の取締役がこれに代わる。
(決議の方法)
第14条 株主総会の決議は、法令に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって決する。
第4章 取締役、取締役会
(取締役会の設置)
第15条 当会社は、取締役会を置く。
(取締役の員数)
第16条 当会社の取締役は、○○名以内とする。
(取締役の選任)
第17条 取締役は、株主総会の決議によって選任する。
2 取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う。
3 取締役の選任決議は、累積投票によらない。
(取締役の任期)
第18条 取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとする。
2 増員により、または補欠として選任された取締役の任期は、他の在任取締役の任期の満了する時までとする。
(取締役会の招集権者および議長)
第19条 取締役会は、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役社長が招集し、議長となる。取締役社長に事故があるときは、あらかじめ取締役会において定めた順序により、他の取締役が招集し、議長となる。
(代表取締役及び役付取締役)
第20条 当会社は、取締役会の決議によって、代表取締役を選定する。
2 代表取締役は、会社を代表し、会社の業務を執行する。
3 取締役会は、その決議によって、取締役社長○○名を選定し、取締役会長○○名及び取締役副社長、専務取締役、常務取締役各○○名を選定することができる。
(取締役会の招集通知)
第21条 取締役会招集の通知は、会日より○○日以前に発することを要する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。
(取締役会の決議方法)
第22条 取締役会の決議は、取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数をもって行う。
(取締役会決議の省略)
第23条 当会社は、取締役の全員が、取締役会の決議事項について、書面又は、電磁的記録により同意したときは、当該決議事項を可決する旨の取締役会の決議がなったものとみなす。
ただし、監査役が異議を述べたときは、この限りでない。
(取締役会規則)
第24条 取締役会に関する事項は、法令または定款に定めるもののほか、取締役会において定める取締役会規則による。
(取締役の報酬等)
第25条 取締役の報酬等は、株主総会の決議によって定める。
(取締役の責任免除)
第26条 当会社は、取締役会の決議によって、取締役(取締役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる。
2 当会社は、社外取締役との間で、会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任を限定する契約を締結することができる。ただし、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、金○○○円以上であらかじめ定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。
第5章 監査役
(監査役の設置)
第27条 当会社は、監査役を置く。
(監査役の員数)
第28条 当会社の監査役は、○○名以内とする。
(監査役の選任)
第29条 監査役は、株主総会の決議によって選任する。
2 監査役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権 の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う。
(監査役の任期)
第30条 監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする。
2 補欠として選任された監査役の任期は、退任した監査役の任期の満了する時までとする。
(監査役の報酬等)
第31条 監査役の報酬等は、株主総会の決議によって定める。
(監査役の責任免除)
第32条 当会社は、取締役会の決議によって、監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任額から法令の定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる。
2 当会社は、社外監査役との間で、会社法第423条第1項の賠償責任について法令に定める要件に該当する場合には、賠償責任を限定する契約を締結することができる。ただし、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、金○○○円以上であらかじめ定めた額と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額とする。
第6章 計算
(事業年度)
第33条 当会社の事業年度は、1か年とし、毎年○○月○○日から翌年○○月○○日までとする。
(期末配当金)
第34条 当会社は、株主総会の決議によって、毎年○○月○○日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または、登録株式質権者に対し、金銭による剰余金の配当(期末配当金)を支払う。
(期末配当金の除斥期間)
第35条 期末配当金は、当会社がその支払の提供をした日から満○○年を経過しても受領されないときは、当会社は、その支払義務を免れるものとする。
2 未払いの期末配当金には、利息をつけない。
第7章 附 則
(設立に際して出資される財産の価額)
第36条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金○○万円とする。
(最初の事業年度)
第37条 当会社の第1期の事業年度は、当会社設立の日から令和○○年○月○日までとする。
(設立時取締役及び設立時監査役)
第38条 当会社の設立時取締役及び設立時監査役は、次の通りとする。
設立時取締役 ○○○○、○○○○、○○○○
設立時監査役 ○○○○
(発起人の氏名、住所及び引受株数)
第39条 発起人の氏名、住所及び発起人が設立に際して引き受けた株式数は、次のとおりである。
○○県○○市○○町○○丁目○○番○○号
○○○○株式 ○○○○株
以上、○○○○株式会社を設立のため、この定款を作成し、発起人が次に記名捺印する。
令和○○年○○月○○日
解説
(定款と何か)
定款とは、会社の組織や運営についての根本的な規則を書面としたものであり、どのような会社であっても、根本的な規則を定めた定款は必ず必要となる。
(定款の記載事項)
定款に記載する事項は、次のとおりである。
① 絶対的記載事項…必ず記載する必要がある。記載されないと定款は無効となる事項。
② 相対的記載事項…記載されなくても定款は無効とならないが、記載しないと効力は生じない事項。
③ 任意的記載事項…記載の有無にかかわらず、効力は生じる事項。
(本書式について)
本書式は、会社を設立する際に作成しなければならない定款の例であり、公証人の認証を受けなければ、定款としての効力は生じない(会社法第30条第1項)。
会社設立当初の定款を原始定款という。
(第1条) 商号
商号は、絶対的記載事項である(会社法第27条第1項第2号)。
商号中には、必ず株式会社である旨を表示する必要がある(会社法第6条第2項)。
(第2条) 目的
目的は、絶対的記載事項である(会社法第27条第1項第1号)。
目的とは、会社が営もうとする事業のことであり、取引社会の通念に照らして会社の事業内容が何であるかを知り得る程度に、具体的に記載する必要がある。
(第3条) 本店の所在地
本店の所在地は、絶対的記載事項である(会社法第27条第1項第3号)。
最小行政区画(東京区内では区)まで記載すれば足りる。
(第4条) 公告の方法
公告の方法は、①官報に掲載する方法、②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、③電子公告があり、いずれかを定款で定めることができる(会社法第939条第1項)。
定款に定めない場合は、官報に掲載する方法によることとなる(会社法第939条第4項)。
したがって、公告の方法を②③とする場合は相対的記載事項であるが、①とする場合は任意的記載事項とも言える。
甲新聞又は乙新聞というような選択的記載はできない。
電子公告の場合は「電子公告を、公告をなす方法とする。」と記載すればよい。
(第5条) 発行可能株式総数
発行可能株式総数は、会社が発行することができる株式の総数を定めるものである。
絶対的記載事項であるが、設立に際し、定款作成時に定める必要はなく、設立手続きの完了時までに、定款に定めればよいこととされた(会社法第37条第1項)。株式数は、自由に定められるが、公開会社(会社法第2条第5号)においては、設立に際して発行する株式数の4倍以内とする(会社法第37条第3項、同法第113条第3項)。
(第6条) 株券の発行
株券の発行は、相対的記載事項である。
会社法では、株券不発行を本則とし、株券を発行する場合には、その旨を定款に定めるものとされている(会社法第214条)。
(第7条) 株券の種類
株券の種類は、任意的記載事項であり、資本金、株主数等を考慮して定める。
留意すべきことは、株式の譲渡ができない場合が生じるので、必ず1株券を発行することが可能な形をとっておくことである。
(第8条) 株式の譲渡制限
株式の譲渡制限を定めるものである。
株主は、保有する株式を譲渡することができる(会社法第127条)が、その発行する全部の株式あるいは一部の種類の譲渡による取得について、会社が定款に会社の承認を要する旨を定めることができる(会社法第107条第1項第1号、同条第2項第1号、第108条第1項第4号、同条第2項第4号)。
なお、株式譲渡の承認機関を、定款をもって取締役会以外の機関とすることもできる(会社法第139条第1項)。
(第9条) 相続人等に対する売渡しの請求
前条の譲渡制限の効力は、相続等の一般承継には及ばない。
しかし、その主旨は、会社にとって好ましくない者が株主とならないようにすることにあるので、相続等の一般承継が生じた場合、相続人等に対して売渡し請求ができる旨を定款で定めることが可能である(会社法第174条)。
(第10条) 株式取扱規則
株式取扱規則は、任意的記載事項であり、株主名簿等への記載等の取扱いを取締役会が定める株式取扱規則に授権する旨を定めるものである。
(第11条) 基準日
基準日は、相対的記載事項である。
基準日とは、一定の時点において、株主名簿上に記載または記録された株主について、株主としての一定の権利行使を認める制度をいう(会社法第124条第1項)。
なお、議決権を行使することができる株主を定めるために基準日を設定した場合であっても、株式会社の判断により、基準日後に株主となった者のうち、議決権を行使することができる株主を定めることも可能である(会社法第124条第4項)。
(第12条) 招集
株主総会の招集は、任意的記載事項である。
招集手続については、株主の全員の同意あるときは、その手続を省略することができる(会社法第300条)。但し、会社法第298条第1項第3号又は、同項第4号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
(第13条) 議長
株主総会の議長については、任意的記載事項であるが、定款で定めるのが通例である。
(第14条) 決議の方法
株主総会の決議の方法は、相対的記載事項である(会社法第309条第1項)。
株主総会の普通決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、出席した当該株主の議決権の過半数(決議に必要な多数)で決めるが、この定足数をみたすことは、会社にとって困難な場合があるので、本書式のようにあらかじめ定款によって定足数を排除し、または軽減することもできる。
(第15条) 取締役会の設置
取締役会を設置する旨を定めるものである。
株式会社は、定款の定めによって取締役会を置くことができる(会社法第326条第2項)が、公開会社(会社法第2条第5号)は、取締役会を置かなければならない(会社法第327条第1項第1号)。
(第16条) 取締役の員数
会社の取締役の員数を定めるものである。
取締役は、一人又は二人以上、置かなければならない(会社法第326条第1項)が、公開会社(会社法第2条第5号)においては取締役会を置く必要がある(会社法第327条第1項第1号)ため、取締役の員数は、三人以上でなければならない(会社法第331条第5項)。
(第17条) 取締役の選任
取締役の選任手続及びその決議要件を定めたものである。
1項(会社法第329条第1項)、2項(会社法第341条)、3項(会社法第342条第1項)は、会社法の条文に沿ったものである。
非公開会社(発行する全部の株式について譲渡制限の定めがある会社)では、取締役を株主に限定することもできる(会社法第331条第2項但し書き)。
(第18条) 取締役の任期
取締役の任期を定めたものである(会社法第332条第1項)。
定款又は、株主総会の決議によって、その任期を短縮することも可能である(会社法第332条第1項但し書き)。
なお、非公開会社(発行する全部の株式について譲渡制限の定めをしている会社)については、定款の定めにより、選任後10年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで、伸長することができる(会社法第332条第2項)。
(第19条) 取締役会の招集権者および議長
取締役会は、各取締役が招集するが、取締役を招集する取締役を定款又は、取締役会で定めたときは、その取締役が招集する(会社法第366条第1項)。
(第20条) 代表取締役及び役付取締役
代表取締役及び役付取締役の選定方法及び権限を定めるものである。
代表取締役は、取締役会の決議によって選ばれ(会社法第362条第2項)、会社を代表して業務執行を行う(会社法第363条第1項第1号)。
(第21条) 取締役会の招集通知
取締役会の招集通知は、取締役会の日の一週間前までに発しなければならないが、これを下回る期間を定款で定めることができる(会社法第368条第1項)。
また、取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催できる(会社法第368条第2項)。
(第22条) 取締役会の決議方法
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行われるが、この定足数及び決議要件については、定款で定めれば、ともに加重することができる(会社法第369条第1項)。
(第23条) 取締役会決議の省略
取締役会の書面決議について定めたものである。
このように定款に定めれば、取締役の決議の目的事項について、取締役(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が同意し、かつ、監査役が異議を述べなければ、書面または、電磁的方法により決議をすることが認められている(会社法第370条)。
(第24条) 取締役会規則
取締役会規則は、会社法等の法令に基づくものではない。
(第25条) 取締役の報酬等
報酬等とは、取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益をいい、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める(会社法第361条第1項)。具体的な金額を定めると、変更の都度、定款変更手続が必要となるので、定款においては定めないのが通例である。
(第26条) 取締役の責任免除
取締役は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(会社法第423条第1項)。
取締役の責任免除は、定款の定めによる取締役の責任の一部免除について定めるものである(会社法第426条第1項、同第427条第1項)。
公開会社は、監査役を置く必要がある(会社法第327条第1項第1号、同条第2項)。
非公開会社は、会計参与設置会社以外の取締役会設置会社及び会計監査人設置会社について、監査役を置く必要がある(会社法第327条第2項、3項)。
上記以外の株式会社については、監査役の設置は任意である。
監査役を置く場合、定款にその旨を定めなければならない(会社法第326条第2項)。
なお、監査役は、原則として、業務監査権限を有している(会社法第381条第1項)が、監査役会設置会社及び会計監査人設置会社以外の非公開会社は、定款で下記のように定めることにより、その監査範囲を会計監査に限定することが可能である(会社法第389条第1項)。
第○○条 監査役は、会計に関するものに限り監査を行う。
また、監査役会については、公開会社(会社法第2条第5号)である大会社(会社法第2条第6号)には、設置が義務付けられるが、それ以外の場合には、監査役会の設置は、任意である(会社法第328条第1項)。
会計監査人は、公開、非公開を問わず、大会社では設置が義務づけられている(会社法第328条第1項、同条第2項)。
会社参与は、全ての株式会社において、定款に規定することにより、任意に設置することができる(会社法第326条第2項)。
(第28条) 監査役の員数
会社法において、監査役の員数の上限に関する規定はない。
ただし、監査役会設置会社においては、監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない(会社法第335条第3項)。
(第29条) 監査役の選任
監査役は、株主総会の決議によって選任される(会社法第329条第1項)。2項については、会社法第341条に沿った。
なお、監査役の選任に際しては、監査役(2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない(会社法第343条第1項)。また非公開会社においては、監査役を株主に限定することもできる(会社法第335条第1項、同法331条第2項)。
(第30条) 監査役の任期
監査役の任期は、原則4年であるが、非公開会社において、定款に定めることで、最長10年まで伸長することができる(会社法第336条第1項、第2項)。
第1項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として、選任された監査役の任期を、退任した監査役の任期の満了する時までとすることができる(会社法第336条第3項)。
(第31条) 監査役の報酬等
監査役の報酬等(会社法第361条)は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める(会社法第387条第1項)。
(第32条) 監査役の責任免除
監査役の責任免除は、取締役の責任免除(当該定款第24条)と同様に、定款の定めに基づく監査役の責任の一部免除と社外監査役との責任限定契約の締結ができる旨を定めるものである(会社法第426条第1項、同法427条第1項)。
(第33条) 事業年度
事業年度は、年2期とすること、月の途中をもって定めることも可能である。
(第34条) 期末配当金
株式会社は、その株主(当該株式会社を除く)に対し、剰余金の配当をすることができる(会社法第453条)。
期末配当金を受けるべき者を確定するための基準日を設けたものである。
なお、一定条件のもとに、取締役会が剰余金の配当等を決定することができる(会社法第459条第1項)。
(第35条) 期末配当金の除斥期間
期末配当金の除斥期間は、株主側の事情(住所不明等)で、期末配当金の支払いができない場合、期末配当金請求権が時効により、消滅するまで会社の債務として処理しなければならないので、本書式のように除斥期間を設けて、その期間経過後、会社は支払義務を免れるものとしたものである。
(第36条) 設立に際して出資される財産の価額
設立に際して出資される財産の価額(又は、その最低額)は、絶対的記載事項である(会社法第27条第4号)。
(第37条) 最初の事業年度
最初の事業年度は、任意的記載事項である。
会社設立の日(設立登記の日)が属する事業年度の末日たる年月日を記載する。
(第38条) 設立時取締役及び設立時監査役
発起設立において、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して、取締役となる者をいう。)を選任しなければならない(会社法第38条第1項)。
監査役設置会社である場合、設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。)を選任しなければならない(会社法第38条第3項第2号)。
定款で、設立時取締役、設立時監査役として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時監査役に選任されたものとみなされる(会社法第38条第4項)ので、本書式では定款で定めている。
設立しようとする株式会社が、取締役会設置会社(会社法第2条第7号)である場合には、設立時取締役は、3人以上でなければならない(会社法第39条第1項)。
設立時取締役は、設立しようとする株式会社が、取締役会設置会社(委員会設置会社を除く)である場合には、設立時取締役の中から、設立に際して代表取締役となる者(設立時代表取締役)を選定する必要がある。
なお、募集設立の場合は、設立時取締役、設立時監査役の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない(会社法第88条)。
(第39条) 発起人の氏名、住所及び引受株数
発起人の氏名(又は名称)、住所は、絶対的記載事項である(会社法第27条第5号)。
発起人の引受株数は、任意的記載事項であるが、これを記載しておけば、設立登記の際に、添付書面として必要となる株式の引受を証する書面(商業登記法第47条第2項第5号)に援用できるため、記載するのが通例である。発起人の員数に制限はなく、1人以上であれば何人でもさしつかえない。
最後に、定款作成の年月日を記載し、会社法第26条第1項により、発起人全員が署名し、又は、記名捺印しなければならない。なお、電磁的記録によって定款を作成した場合は、これに電子署名をする(会社法第26条第2項)。
(印 紙)
定款は、印紙税法第2条所定の別表第一の6号で定める文書に該当する。印紙税の課される定款は、会社の設立のときに作成される定款の原本に限られ、貼付印紙額は1通につき4万円である(電子定款による場合は不要。)。その他印紙については、印紙税法第2条、別表第一を参照されたい。
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