弁護士監修の各種書式をご紹介しています。
当サイトに掲載している情報は、すべて参考として紹介しているものです。これらの情報をご利用になることで発生したトラブルや損失に対して、当事務所では一切責任を負いません。
○○○○を甲、○○○○を乙として、甲乙間は次のとおり合意する。
第1条 甲と乙は、甲を○○○○株式会社(本店所在地:○○県○○市○○町○○番地○○)の完全子会社とする株式交換に関し、乙が令和○年○○月○○日付通知書をもって甲に対し反対の意思表示をしたこと、また、甲の令和○年○○月○○日第○○回定時株主総会において、上記の株式交換決議に反対したこと、さらに乙が甲に対し、令和○年○○月○○日、会社法785条1項に基づく乙所有の株式(甲の普通株式1000株。株券番号○○○○乃至○○○○。以下「本件株式」という)の買取請求権を行使したことを相互に確認する。
第2条 甲と乙は、乙による前条の本件株式の買取請求の結果、甲乙間において令和○年○○月○○日、本件株式を目的物とする売買契約が成立したことを相互に確認する。
第3条 甲は乙に対し、前条の売買代金○○○○万円(1株あたり金○○○○円)の支払義務があることを認め、これを令和○年○○月○○日限り、乙より本件株式の株券の引渡しを受けるのと引き換えに支払う。
第4条 甲乙は、本合意書に定める以外、本件株式買取りに関し相互に何らの債権債務もないことを確認する。
以上のとおり契約が成立したので、本書面2通を作成し、甲乙各1通を保有する。
令和○○年○○月○○日
住 所
甲
住 所
乙
解説
(第1条)
株式交換決議に反対したにも拘わらず、株式交換が承認されてしまった場合、反対した株主は、会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取るよう請求できる(会社法785条1項、782条1項)。
上記買取請求を行うには、株式交換の承認を求める株主総会に先立ち、反対の意思を通知し、かつ、総会においても反対しておかなければならない(会社法785条2項)。
(第2条)
乙の株式買取請求権の行使の結果、甲乙間で株式の売買契約が成立したことを確認したもの。
(第3条)
改正前商法では、株式買取請求権が行使されたときに当該株式会社が株式を買い取る価格は、株主総会の決議がなかったとすれば有していたはずである公正な価格によるとされていた。
しかし、株主のなかには、株式交換すること自体については賛成であるが、交換比率等に不満である者も存在しうる。このような株主が株式買取請求権を行使するのは、株式交換の決議がなかったとすれば有していたはずである公正な価格による株式の買取りではなく、株式交換による企業価値の増加を適切に反映した公正な価格による株式の買取りを期待してするものである。
そこで、会社法では、株式買取請求権が行使された場合の株式の買取りを「公正な価格」によることとした(会社法785条1項)。
この価格につき当事者間において株式交換の効力発生日から30日以内に協議が整わない場合には、その期間満了の日後30日以内に裁判所に価格の決定を請求することができる(会社法786条2項)。
買取価格について会社と反対株主との間で合意した場合、会社は株式交換の効力発生日から60日以内に買取代金を支払わなければならない(会社法786条1項)。
したがって、合意書の支払期日も効力発生日から60日以内の日を設定することになる。
(印 紙)
本件の文書には、印紙は不要である。
朝日中央綜合法律事務所への
ご相談受付はこちら